家庭教師のクーリング・オフと中途解約、いくら戻る?
結論
期間2か月超・総額5万円超の家庭教師の契約は特定商取引法の特定継続的役務提供に当たり、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフで全額返金の対象です。
8日を過ぎても中途解約でき、事業者が請求できるのは、授業開始前なら2万円まで、開始後なら「受けた授業の対価」+「5万円か1か月分の授業料の低い方」までです。
例えば月謝25,000円で12か月分30万円を前払いし、3か月受けて解約すると、返金の目安は20万円以上です(当サイトの計算)。
家庭教師は特定商取引法のどこに当たる?
特定商取引法は、エステ・語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介・美容医療の7つを「特定継続的役務提供」として、契約の書面・クーリング・オフ・中途解約などのルールを決めています。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、家庭教師の内容と要件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる家庭教師 | 学校(幼稚園・小学校を除く)の入学試験に備えるため、または学校教育(幼稚園・大学を除く)の補習のための学力の教授。電話・インターネット等で行うものも含む。小学校受験(お受験)は対象外。「浪人生のみのコースは対象外」は学習塾(教室で受ける形)の注記で、家庭教師の定義には在学生に限る条件がない |
| 期間・金額の要件 | 期間が2か月を超え、かつ総額(入会金・受講料・教材費・関連商品などを含む)が5万円を超える契約 |
| 書面 | 契約前に概要書面、契約後に契約書面を渡す義務 |
| クーリング・オフ | 法定の書面を受け取った日から8日以内。書面または電磁的記録で。関連商品(教材など)も一緒に解除できる |
| 中途解約(開始前) | 事業者が請求できる損害賠償等の上限は2万円 |
| 中途解約(開始後) | 受けた授業の対価+「5万円」と「1か月分の授業料相当額」の低い方 |
| 関連商品(政令) | 書籍(教材を含む)、CD・DVD・CD-ROMなど、ファクシミリ機器・テレビ電話 |
出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」特定継続的役務提供(2026年11月3日確認)。
ポイントは3つです。
- オンラインも対象:役務の内容がファックス・電話・インターネット・郵便等を使って行われる場合も広く含まれるとされています。
- 総額には教材も入る:5万円を超えるかどうかは、入学金・受講料・教材費・関連商品の販売などを含めた総額で判断します。
- 対象外のコース:幼稚園・小学校の受験対策(お受験)は対象外です。消費者庁のガイドで「浪人生のみを対象にしたコースは対象にならない」とされているのは「学習塾」(事業者が用意した教室などで受ける形)で、家庭教師の定義には在学生に限る条件がありません。
クーリング・オフはいつまで?
法定の書面(契約書面)を受け取った日から8日以内です。受け取った日を1日目として数えます。通知は書面または電磁的記録(メールなど)で行い、記録が残る方法で送ります。
クーリング・オフをすると、
- すでに授業を受けていても、その対価を払う必要はありません
- 損害賠償や違約金も払う必要はありません
- 支払った頭金などは返還されます
- 関連商品(教材など)も一緒に解除でき、引き取りの費用は事業者の負担です
また、事業者が事実と違うことを告げたり威迫したりしてクーリング・オフをしなかった場合は、8日を過ぎても行使できます。書面に必要な記載がない場合も、起算日が来ていない可能性があります(東京都の付託資料でも論点とされています)。
中途解約したら、いくら請求される?
クーリング・オフの期間を過ぎても、将来に向かって解約(中途解約)できます。このとき事業者が請求できる額には、次の上限があります。
- 授業開始前:2万円
- 授業開始後:提供された授業の対価に相当する額 + 「5万円」と「1か月分の授業料相当額」のいずれか低い額
月謝が5万円未満なら「1か月分」、5万円以上なら「5万円」が上乗せの上限になります。
返金の目安を計算すると?
上限どおりに計算した返金の目安です(教材代は除く)。
| ケース(教材代は除く) | 当てはまるルール | 事業者が請求できる上限 | 返金の目安 | 追加で払う最大額 |
|---|---|---|---|---|
| 書面を受け取って5日目に解約(授業前) | クーリング・オフ | 0円 | 100,000円 | 0円 |
| 授業開始前に解約(20日目) | 中途解約(開始前) | 20,000円 | 80,000円 | 0円 |
| 3か月受けて解約(月謝25,000円・前払い30万円) | 中途解約(開始後) | 100,000円 | 200,000円 | 0円 |
| 3か月受けて解約(月謝60,000円・前払い72万円) | 中途解約(開始後) | 230,000円 | 490,000円 | 0円 |
| 月謝払いで2か月受けて解約(月謝20,000円・支払済み4万円) | 中途解約(開始後) | 60,000円 | 0円 | 20,000円 |
| 2か月だけの短期契約(総額6万円) | 特定継続的役務に当たらない | 契約書による | — | — |
消費者庁「特定商取引法ガイド」の家庭教師の上限(開始前2万円、開始後は受けた授業の対価+5万円と1か月分の授業料の低い方)で当サイトが計算した目安。実際の精算は契約書面によります。トップの計算ツールで自分の契約の数字を入れられます。
自分の契約の数字で計算したいときは、トップページの「中途解約したときの返金の目安」に、契約の総額・期間・月謝・支払った額・受けた授業の対価を入れてください。ブラウザ内で計算し、どこにも送信しません。
計算のときに迷いやすいのが「受けた授業の対価」です。契約書の授業料×受けた回数が基本ですが、まとめ払いの割引がある契約では、割引前の単価で計算されることがあります。精算方法は契約書面に書かれているはずなので、契約前に確認しておくのが安全です。
教材(関連商品)はどうなる?
家庭教師の関連商品には、書籍(教材を含む)、CD・DVD・CD-ROMなど、ファクシミリ機器・テレビ電話が指定されています。本体の家庭教師の契約を中途解約すると、関連商品の契約も解除できます。
教材の精算額は、返品するかどうか、使ったかどうかで変わるため、当サイトの計算には含めていません。広島市消費生活センターが紹介する事例のように、教材を「別契約」とされて争いになることもあります。高額な教材を一緒に契約した場合は、高額教材トラブルも読み、早めに消費者ホットライン188に相談してください。
公式ページに解約の条件が書かれている例は?
当サイトで確認した会社のうち、家庭教師のナイトは特定商取引法に基づく表記に、申込日から8日間のクーリング・オフと、役務提供開始後の中途解約料が「5万円と1か月分の授業料相当額のうち低い方」(+実際の利用料金)であることを書いています。スタディコーチは、長期コースが特定継続的役務に当たり、クーリング・オフと中途解約の対象と書いています。
一方で、料金ページに「退会費なし」「解約金なし」とだけ書き、法定の書面の内容までは公開していない会社も多くあります。契約前に、概要書面を見せてもらい、クーリング・オフと中途解約の欄を確認してください。
クーリング・オフの通知はどう書く?
クーリング・オフは、書面(はがき・手紙)か電磁的記録(メール・事業者のフォームなど)で通知します。決まった様式はありませんが、次の内容を書けば足ります。
- 契約日と、契約した内容(家庭教師の指導、教材の名前など)
- 契約した会社の名前と、担当者の名前
- 支払った金額と、クレジットを使った場合はカード会社の名前
- 「この契約を解除します」という一文と、返金の依頼
- 通知した日付と、契約者(保護者)の氏名・住所
はがきで送る場合は、両面のコピーを取り、特定記録郵便や簡易書留など記録が残る方法で送ります。クレジットで払った場合は、カード会社にも同じ内容を通知しておくと安心です。メールで送る場合は、送信した画面を保存しておきます。
中途解約の場合も、同じように「いつ・何を・どう解約するか」を書面かメールで伝え、精算額の計算方法を書面で示してもらいます。
月謝払い・後払いの契約でも対象?
特定継続的役務提供に当たるかどうかは、支払い方ではなく、契約期間(2か月を超えるか)と総額(5万円を超えるか)で決まります。月謝払いでも、契約書で12か月などの期間を決めていれば、総額は月謝×期間で考えます。
一方、「1か月ごとの自動更新」のように契約期間が2か月以下の形だと、対象にならない可能性があります。この場合でも、月ごとにやめられるので、まとめて払ったお金が戻らないというリスクは小さくなります。どちらの形かは、契約書面の「契約期間」の欄で確認できます。
解約の連絡はどうすればいい?
- 契約書面を手元に用意し、契約日・書面を受け取った日・支払った額・受けた回数を整理する
- 8日以内ならクーリング・オフ、過ぎていれば中途解約として、書面かメールで通知する(日付と内容が残る形で)
- 返金の金額と時期を書面で確認する
- 話がまとまらないときは、消費者ホットライン188へ
よくある質問
- 家庭教師はクーリング・オフできる?
- 期間が2か月を超え、総額(入会金・授業料・教材など)が5万円を超える契約ならできます。法定の書面を受け取った日から8日以内に、書面または電磁的記録で通知します。インターネット等で行うオンライン家庭教師も含まれます。
- 中途解約するといくら請求される?
- 授業開始前は2万円まで、開始後は「受けた授業の対価」に「5万円か1か月分の授業料相当額のいずれか低い額」を足した額までです(消費者庁 特定商取引法ガイド)。
- 浪人生や小学校受験のコースも対象?
- 幼稚園・小学校の受験(いわゆるお受験)対策は対象外です。浪人生のみを対象にしたコースが対象外とされているのは「学習塾」(教室に通う形)で、家庭教師(自宅への訪問・自宅で受けるオンライン指導)の定義には在学生に限る条件がありません。
- 月謝制で2か月ごとの更新なら?
- 期間が2か月以下の契約は特定継続的役務提供に当たりません。その場合の解約は契約書・利用規約の条件によります。
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出典・確認した情報
- 消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供(2026-11-03確認)
- e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律(2026-11-03確認)
- 消費者庁 消費者ホットライン188(2026-11-03確認)
- 家庭教師のナイト 特定商取引法に基づく表記(中途解約の記載例)(2026-11-03確認)